転職したばかりの方から、「勤続1年になるまで住宅ローンは無理ですか」と相談を受けることがあります。
結論からいえば、転職直後という理由だけですべての住宅ローンへ申し込めなくなるわけではありません。ただし、勤続年数を申込条件や審査項目にしている金融機関は多く、転職後の収入をどのように確認するかも商品によって異なります。
大切なのは、申込先を増やすことではなく、現在の勤務状況と収入を説明できる資料をそろえ、条件に合う商品を早めに確認することです。
転職直後の住宅ローンは一律に決まらない
国土交通省の令和7年度「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、回答した金融機関の93.9%が勤続年数を審査項目に挙げています。雇用形態、業種、雇用先の規模を確認する金融機関もあります。
一方、必要な勤続年数や収入の見方は金融機関・商品ごとに異なります。「転職直後なら必ず否決される」「同じ業種への転職なら必ず通る」とは言えません。
たとえばフラット35のWeb申込マニュアルには、転職後から申込みまで12か月分の給与がない場合の年収計算例があります。転職後の給与実績を年換算する考え方が示されていますが、実際の審査結果を保証するものではなく、取扱金融機関によって追加書類を求められる場合があります。
最初に確認したい5項目
1. 商品の申込条件
まず、検討する住宅ローンに勤続年数の条件があるかを確認します。金利だけを比べても、申込条件に合わなければ手続きを進められません。
県内金融機関、ネット銀行、フラット35では条件が異なります。物件を決めてから探すのではなく、購入を考え始めた段階で候補を絞ると動きやすくなります。
2. 転職後の収入の見方
次に、どの期間の収入を審査に使うかを確認します。前年の公的な収入証明だけを見るのか、転職後の給与実績や勤務先発行の給与証明書を使うのかは商品によって異なります。
基本給、固定手当、残業代、賞与を分け、確定している収入と変動する収入を整理します。見込みの賞与や残業代を前提に返済額を決めると、購入後の家計に余裕がなくなるおそれがあります。
3. 追加で必要になる書類
一般的な本人確認・収入確認書類に加え、転職時期によって次の資料を求められることがあります。
- 雇用契約書や労働条件通知書
- 転職後の給与明細
- 勤務先が発行する給与証明書
- 転職後の源泉徴収票
- 職歴や転職理由を確認する資料
フラット35でも、申込みに必要な書類は取扱金融機関によって異なり、審査上の理由から給与明細や給与振込通帳などの追加提出を求める場合があると案内しています。自己判断でそろえる前に、申込先の最新一覧を確認しましょう。
4. ほかの借入れと返済状況
自動車ローン、教育ローン、カードローン、分割払いやリボ払いなどは、転職の有無とは別に返済負担へ影響します。
借入残高だけでなく、毎月返済額と完済予定日まで一覧にします。転職で収入が増えていても、ほかの返済を含めると希望額が家計に合わない場合があります。
5. 住宅購入の時期と予算
審査に申し込める金額と、無理なく返せる金額は同じとは限りません。試用期間中か、給与が何回支給されたか、今後の賞与が未確定かを確認し、現在わかっている収入で返済計画を作ります。
転職前後で住宅購入を検討している場合は、転職日、申込日、売買契約日、引渡し予定日を並べます。審査中や承認後に勤務先・雇用条件が変わるときは、申込先へ事前に伝えて必要な手続きを確認します。
相談前にまとめておくとよい内容
私は転職後の住宅ローン相談を受けるとき、次の内容を一枚にまとめています。
- 転職日と現在の雇用形態、試用期間
- 前職と現職の仕事内容
- 基本給、手当、賞与、直近の給与実績
- 現在の借入残高と毎月返済額
- 希望物件の価格、自己資金、入居希望時期
この情報があれば、金融機関へ何を確認すべきかが見えやすくなります。転職直後に強い商品を決めつけるのではなく、現在の条件を説明したうえで比較することが大切です。
ソルトリゾートでは、沖縄で住宅を探している方の勤務状況、購入予算、物件条件を整理し、金融機関へ確認する項目をまとめています。審査承認を保証することはできませんが、物件を決める前の段階でもLINEでご相談いただけます。必要に応じて提携FPへの相談もご案内します。
確認した一次情報
- 国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
- フラット35「ご利用条件」
- フラット35「融資手続・必要書類」
- フラット35「Web申込サービス専用 入力要領」
- 住宅金融支援機構「参考書式集」
※本記事は一般的な情報です。勤続年数、年収の計算、必要書類、審査基準は金融機関、商品、申込時期、雇用条件によって異なります。最新の条件は申込先へご確認ください。