住宅ローンを利用して家を買った方から、「会社員なら年末調整だけで住宅ローン控除を受けられますか」と聞かれることがあります。
結論からいうと、住宅ローン控除を初めて受ける年は、給与所得者も確定申告が必要です。2年目以後は、給与所得者であれば年末調整で適用を受けられる場合があります。
ただし、住宅ローンを借りたことだけで控除が決まるわけではありません。入居した年、住宅の区分、床面積、所得、返済期間、入居時期などの要件を確認し、住宅区分に応じた書類をそろえる必要があります。
最初に確認するのは「いくら戻るか」ではなく適用要件です
住宅ローン控除は、計算された控除額がそのまま現金でもらえる制度ではなく、所得税から差し引く税額控除です。控除額は住宅ローン等の年末残高だけでなく、住宅の取得対価、住宅区分ごとの借入限度額、実際の所得税額などの影響を受けます。
国税庁が案内する令和8年中入居の主な要件には、次の内容があります。
- 住宅取得後6か月以内に入居し、引き続き居住していること
- 家屋の床面積と居住用割合が要件を満たすこと
- 対象となる住宅ローン等の返済期間が10年以上であること
- 控除を受ける年の所得金額が上限以下であること
- 住宅区分に応じた性能や認定を必要書類で確認できること
床面積は広告の専有面積ではなく、登記面積で判定する場面があります。40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅には所得要件を含む特例条件があるため、物件資料の数字だけで判断しないでください。
契約前から住宅区分の証明書を確認します
令和8年中に入居する住宅では、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅、中古住宅など、住宅の区分によって借入限度額、控除期間、必要書類が異なります。
特に新築住宅は、省エネ性能や建築確認時期などで取扱いが変わる場合があります。「新築だから対象」「住宅ローンを使うから対象」と決めず、売主や施工会社へ住宅区分と証明書の名称を確認します。
私は住宅購入の資金計画を整理するとき、控除見込額を先に返済原資へ入れないようにしています。対象になるか、どの区分になるか、実際の税額からいくら控除できるかは、書類と申告内容を確認するまで確定しないためです。
初年度の確定申告までに確認する書類
必要書類は住宅区分や取得方法によって異なりますが、一般的には次の資料を確認します。
- 売買契約書または工事請負契約書
- 土地・建物の登記事項証明書に関する情報
- 住宅ローン等の年末残高情報
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 認定通知書、住宅省エネルギー性能証明書など住宅区分に応じた証明書
- 土地の取得や補助金、住宅取得資金の贈与などに関する追加資料
連帯債務がある場合は、連帯債務用の付表も確認します。共有持分、実際の資金負担、住宅ローンの負担割合が一致していないと、控除額だけでなく贈与税など別の確認が必要になる場合があります。
年末残高情報は金融機関によって受け取り方が異なります
住宅ローン控除の年末残高情報には、金融機関が税務署へ情報を提出する「調書方式」と、金融機関から年末残高証明書を受け取る従来方式があります。
調書方式へ移行した金融機関では、事前に住宅ローン控除の適用申請書を提出し、マイナポータルなどから年末残高情報を取得します。移行していない金融機関では、従来どおり年末残高証明書が必要です。
同じ入居年でも借入先によって準備が変わるため、年末になってから探すのではなく、融資実行後に金融機関へ確認しておくと安心です。
初年度はこの順番で進めます
- 入居日と住宅の区分を確認する
- 登記面積、所得、返済期間などの要件を確認する
- 住宅区分に応じた証明書を売主・施工会社から受け取る
- 金融機関へ年末残高情報の受け取り方を確認する
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告する
- 給与所得者は2年目以後の年末調整に必要な書類を保管する
必要書類が不足していると、追加提出や確認に時間がかかります。国税庁は、住宅の区分ごとに提出書類を確認し、申告書等送信票または提出書類等の案内で不足がないか確認するよう案内しています。
沖縄で住宅を購入した方へ
住宅ローン控除の基本要件は全国共通です。沖縄だから自動的に控除額が増える制度ではありません。
ソルトリゾートでは、沖縄で住宅を購入する方について、売買契約書、住宅の区分、入居予定日、住宅ローン、共有持分を整理し、金融機関や売主へ確認する項目をまとめています。税額の計算や申告判断は税務署・税理士の領域ですが、購入前後の書類整理で迷った段階からLINEでご相談いただけます。
確認した一次情報
※本記事は令和8年8月時点の一般的な情報です。適用要件、借入限度額、控除期間、必要書類、申告方法は、入居年、住宅区分、所得、借入先、持分、税制改正によって異なります。申告前に国税庁の最新情報を確認し、個別の税務判断は税務署または税理士へご相談ください。
