「60歳を過ぎると住宅ローンは利用できないのでしょうか」と相談されることがあります。
60歳という年齢だけで、すべての住宅ローンが対象外になるわけではありません。ただし、申込時年齢、完済時年齢、団体信用生命保険(団信)の加入条件は商品ごとに異なり、借りられる期間が短くなるほど毎月の返済額は大きくなります。
大切なのは「申し込めるか」だけでなく、退職後を含めて返済を続けられるかを先に確認することです。この記事では、沖縄で60歳以降の住宅購入を検討するときに、私がお客様と整理している順番を紹介します。
60歳でも申込条件に入る商品はある
住宅ローンには、申込時年齢と完済時年齢の両方に条件があります。
たとえば、沖縄銀行の金利選択型住宅ローンは、一般の住宅ローン団信の場合、申込時満18歳以上満75歳以下、完済時満85歳未満と案内しています。一方、疾病保障を付けた団信では申込時年齢の上限が異なります。
【フラット35】は、完済時の年齢を80歳とし、借入申込時の年齢から80歳になるまでの期間と35年のうち、短い期間が最長の借入期間になります。
つまり、年齢条件は一律ではありません。また、年齢条件を満たすことと、希望額の審査が承認されることは別です。収入、ほかの借入れ、返済負担、健康状態、物件の担保評価なども確認されます。
最初に「借入可能年数」を確認する
同じ借入額でも、返済期間が短いほど毎月返済額は増えます。
たとえば、完済時年齢を85歳未満とする商品へ60歳で申し込む場合、年齢だけを基準にすれば約25年が一つの上限の目安になります。【フラット35】で完済時80歳を基準にすれば、約20年が目安です。実際の借入期間は誕生日、商品上限、団信、審査結果などで変わるため、これは承認や借入期間を保証する計算ではありません。
物件価格を見る前に、次の条件で返済額を比較します。
- 借入額を変えた場合
- 返済期間を変えた場合
- 金利が上がった場合
- ボーナス返済を使わない場合
- 退職後に収入が減った場合
最長期間で借りられる前提だけで予算を決めず、短い期間になった場合も家計が成り立つかを見ます。
60歳以降に確認したい5つの項目
1. 退職前後の収入
現在の給与だけでなく、退職予定時期、退職後の働き方、公的年金の受給見込み、手元資金を分けて整理します。
退職金を繰上返済へ充てる計画を立てる場合も、金額や受取時期を確定した前提にしすぎないことが大切です。生活費、医療費、住宅の修繕費として残す資金も必要です。
2. 団体信用生命保険
民間住宅ローンでは、団信への加入が利用条件になっている商品があります。年齢条件は保障内容によって異なり、健康状態の告知結果によって加入できない場合もあります。
沖縄銀行の金利選択型住宅ローンでも、団信の種類ごとに申込時年齢が分かれています。希望する保障を先に決めつけず、一般団信、疾病保障付き団信など、それぞれの条件と金利上乗せの有無を確認します。
3. 住宅以外の返済
自動車ローン、カードローン、クレジットカードの分割払いやリボ払いなどがあれば、残高と毎月返済額を一覧にします。
住宅ローンだけなら返せるように見えても、ほかの返済を合計すると家計の余裕が小さくなることがあります。完済予定の借入れがある場合も、審査でどのように扱われるかを申込先へ確認します。
4. 購入後に残す現金
自己資金を多く入れると借入額を抑えられますが、預貯金を使い切る計画は避けます。
購入時には登記、ローン、保険、仲介などの諸費用がかかります。購入後も固定資産税、マンションの管理費・修繕積立金、戸建ての修繕費が必要です。何か月分の生活費を手元に残すかも決めておきます。
5. 将来の住み替えと相続
長期間住み続けるのか、将来は売却や住み替えを考えるのかによって、選ぶ物件や予算は変わります。
階段や駐車場、病院や買物先への移動、建物の維持費、家族が物件を引き継ぐ可能性も確認します。住宅ローンを組める物件ではなく、返済後の暮らしまで見通せる物件を選ぶことが大切です。
「保証人を付ければ有利」とは限らない
旧稿では、保証人を付けると審査に有利になるという趣旨の説明をしていました。しかし、住宅ローンの保証方法は商品ごとに定められており、本人の判断で保証人を追加すれば有利になるとは限りません。
沖縄銀行の金利選択型住宅ローンは、保証会社の保証を利用し、連帯保証人は原則不要と案内しています。収入合算、連帯債務、親子二世代ローンなどを検討する場合は、単なる「保証人」ではなく、債務の負担、住宅の持分、税務、将来の売却まで確認する必要があります。
事前相談へ持っていきたい資料
金融機関や商品によって必要書類は異なりますが、最初の相談では次の資料があると整理しやすくなります。
- 本人確認書類
- 源泉徴収票、確定申告書、所得証明書など
- 年金見込額を確認できる資料
- 現在の借入残高と毎月返済額が分かる資料
- 預貯金と購入後に残したい金額のメモ
- 検討中の物件資料
「いくら借りられますか」だけでなく、「退職後も毎月いくらなら返せますか」を相談の出発点にします。
沖縄で60歳から住宅購入を考える方へ
60歳以降の住宅購入では、年齢条件に合う商品を探すだけでは不十分です。借入期間、団信、退職後の収入、購入後に残す資金を一緒に確認する必要があります。
ソルトリゾート株式会社では、沖縄で住宅購入を検討する方の物件探しと資金計画を一緒に整理しています。住宅ローンの承認を保証することはできませんが、申込条件と返済計画を確認し、必要に応じて提携FPへの相談もご案内します。
確認した一次情報
※本記事は一般的な情報です。申込時・完済時年齢、借入期間、団信、金利、審査基準は金融機関や商品、申込時期によって異なります。最新条件は申込先の金融機関へご確認ください。