任意売却で家を売っても、売却代金などで返しきれない借入は原則として残ります。抵当権を外して家を引き渡せることと、借入がなくなることは別です。連帯保証人の責任も、家を売ったという理由だけで終わるとは限りません。

売却を決める前に、代金からいくら返済へ回るのか、誰にどの債務が残るのか、返済計画をどの窓口と確認するのかを分けて整理してください。返済額や免除の扱いを、不動産会社の見込みだけで決めることはできません。

家を売って抵当権を外しても、借入が残ることがあります

任意売却では、価格や費用の条件を確認し、債権者の承諾を得て抵当権の抹消などを進めます。売却代金の全額がそのまま借入元金の返済に充てられるとは限りません。承諾された売却費用、利息や遅延損害金、複数の債権者への配分などが関係します。

そのため、残高から査定額を引いただけの数字は、売却後の確定した債務額ではありません。決済予定日を踏まえた残高と、代金の充当・精算の内訳を債権者へ確認する必要があります。費用の支払時期は、任意売却の費用と手元資金で整理しています。

住宅金融支援機構の任意売却パンフレットでは、破産免責となっている方を除き、残債務の返済義務が残り、売却後の返済計画は生活状況等を踏まえて確認していくと説明されています。これを「必ず毎月少額にできる」「一律に免除される」と読み替えることはできません。他の債権者の取扱いも個別確認です。

本人・連帯保証人・担保の提供者を分けて確認する

家族の中で誰が返すつもりかという話と、金融機関との契約上の立場は分けます。借入契約書や保証契約書などで、自分がどの立場で署名しているかを確認してください。

契約上の立場 最初に確認したいこと
借りた本人・連帯債務者 自分が負っている債務と、代金充当後の残額、今後の返済窓口
連帯保証人 保証対象と残額、保証責任が続くか、解除等の合意があるか
不動産だけを担保に提供した人 担保提供に加えて保証契約も結んでいないか、担保の抹消条件
共有者・家族 所有関係と借入・保証の関係を分け、売却への同意と返済責任を混同しない

機構のパンフレットは、残債務がある場合の債務者と連帯保証人についても、破産免責の例外を除き返済義務が残ると明記しています。本人の返済計画について話が進んでも、保証人側の扱いまで確認できたと考えず、それぞれ債権者へ確かめてください。

親族間で「本人が全部返す」と決めても、それだけで金融機関との保証契約が解除されたとは扱えません。保証の有効性や負担範囲、免責の影響に疑問があるときは、書類をもとに弁護士等へ確認します。

売却前に、残額と今後の確認先をそろえる

売却条件を検討するときは、次の点を書き出しておくと、未確定の部分を見落としにくくなります。

  1. 現在の債権者と窓口。保証会社や債権回収会社から通知がある場合は、通知の内容と連絡先を確認する。
  2. 決済予定日に合わせた残高、利息・遅延損害金、承諾された費用と代金の充当内訳。
  3. 売却後に残る金額と、債務者・保証人それぞれの確認事項。
  4. 売却後の住居費、生活費、他の返済を含めた家計。続けられない額を前提に約束しない。
  5. 返済計画を確認する時期と窓口、合意した内容をどう記録するか。

返済が難しいときは、売却の話が終わるまで待たず、債権者への相談と法律の専門家への確認を並行して進める必要があります。期限付きの通知が届いている場合の確認順は、住宅ローンの返済に関する通知が届いたときも参考にしてください。

当社が整理する売却の条件と、専門家へ確認すること

当社の任意売却相談は無料です。物件の現況、残高と相場、売却費用、通知の状況を整理し、不動産売却の実務として金融機関と価格や進め方を確認します。売却費用は別に発生し、手元資金が不要とは限りません。

当社が残債の返済額を決めたり、債務の減免交渉や法律判断をしたりするサービスではありません。債務整理や保証の責任は弁護士等へ確認する範囲です。売却すれば解決すると急いで結論を出さず、返済相談を続ける場合、売却する場合、それぞれの生活と負担を確認します。

相談を始めるときは、物件の場所、通知の有無、本人か保証人かという立場を分かる範囲でお知らせください。契約書や個人情報を含む書類の送付は、必要な資料と方法を確認してから進めます。

確認した一次情報

2026年9月30日確認。機構資料は同機構の取扱いです。個別の債務・保証・免責の有無や売却後の返済条件は、契約内容と債権者・法律の専門家への確認が必要です。