住宅ローンを検討している方から、「自分はブラックかもしれない」「信用情報に異動があると、もう住宅ローンは組めないのでしょうか」と相談されることがあります。
一般に「ブラックリスト」と呼ばれることがありますが、その名称の名簿が存在するわけではありません。信用情報機関には、ローンやクレジットの契約内容、支払状況、申込情報などが登録され、金融機関はそれらを審査の参考にします。
大切なのは、うわさや過去の審査結果だけで判断せず、必要であれば本人が自分の信用情報を確認することです。この記事では、CICの「異動」の意味と、住宅ローンを申し込む前に整理したい手順を紹介します。
CICの「異動」とは
CICの信用情報開示報告書では、次のいずれかに該当する場合、返済状況に「異動」と表示されると案内されています。
- 返済日から61日以上または3か月以上の支払遅延がある、または過去にあった
- 本人が返済できなくなり、保証契約にもとづく保証履行が行われた
- 裁判所が破産手続開始を決定した
数日の支払遅れが一度あれば、必ず同じ表示になるという意味ではありません。一方、返済状況に「異動」がなくても、月ごとの入金状況や残高、申込情報など、ほかの情報が登録されている場合があります。
開示報告書は一つの表示だけで判断せず、契約ごとに登録元会社、契約内容、返済状況、終了状況、保有期限を確認します。
信用情報機関はCICだけではない
日本には主に次の信用情報機関があります。
CIC
クレジット会社などとの契約内容や支払状況、申込情報を確認できます。開示報告書には、長期延滞、保証履行、破産手続開始などに該当する場合の「異動」表示があります。
JICC(日本信用情報機構)
ローンやクレジット等の契約内容、返済状況、債務整理や保証履行などの取引事実を登録しています。契約日によって登録期間の扱いが異なり、2019年10月1日以降の契約では、契約内容・返済状況は原則として契約継続中および契約終了後5年以内と案内されています。
全国銀行個人信用情報センター
全国銀行協会が運営する信用情報機関です。銀行ローンなどの契約内容と返済状況は、契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間、破産・民事再生手続開始決定の官報情報は決定日から7年を超えない期間登録すると案内しています。
加盟している金融機関や登録情報はそれぞれ異なります。「CICだけ見れば十分」と一律に決めず、利用したローンやクレジットの種類に応じて確認先を考えます。
「完済から5年は住宅ローンを組めない」とは限らない
旧稿では、「異動が付くと完済後5年間はローンを組めない」と断定していました。しかし、この表現は正確ではありません。
信用情報の登録期間は、信用情報機関、契約日、情報の種類、契約終了の時期などで異なります。また、登録が残っている期間と、住宅ローンの審査結果は同じものではありません。
CICは、クレジット情報を契約期間中および契約終了から5年間保有すると案内しています。JICCや全国銀行個人信用情報センターにもそれぞれの登録期間があります。どの日から期間を数えるかを自己判断せず、開示報告書と各機関の最新案内で確認する必要があります。
さらに、信用情報機関は住宅ローンの審査を行いません。審査では信用情報が参考にされますが、最終判断は金融機関や保証会社が行います。そのため、「この表示が消えた日に必ず通る」「異動があれば一生通らない」のどちらも断定できません。
信用情報を確認する順番
1. 過去と現在の契約を一覧にする
クレジットカード、携帯電話端末の分割払い、自動車ローン、カードローン、奨学金など、契約したものを思い出せる範囲で一覧にします。
現在利用していない契約でも、解約していなければ契約が続いている場合があります。契約先、残高、完済日、解約の有無を確認します。
2. 必要な信用情報機関へ本人開示を申し込む
各機関の公式サイトで、本人開示の方法、本人確認書類、手数料を確認します。非公式な代行業者へ安易に個人情報を渡さないよう注意してください。
開示の目的は、「審査に通る裏技」を探すことではなく、自分の契約と支払状況がどのように登録されているかを確認することです。
3. 登録内容と日付を確認する
契約ごとに次の項目を見ます。
- 登録元会社
- 契約内容と契約日
- 残高と返済状況
- 延滞や保証履行などの表示
- 契約の終了状況
- 保有期限または登録期間の考え方
見方が分からない場合は、まず信用情報機関の公式な解説を確認します。
4. 事実と異なる可能性があれば登録元へ確認する
登録内容が事実であれば、本人の希望だけで自由に削除することはできません。事実と異なると思われる場合は、開示報告書に記載された登録元会社へ問い合わせます。
「費用を払えば信用情報を消せる」「すぐ住宅ローンを通せる」といった案内には注意が必要です。
5. 再申込みの前に返済計画を見直す
信用情報だけでなく、現在の収入、ほかの借入れ、希望額、物件条件、申込時・完済時年齢も住宅ローン審査に関係します。
支払遅れが続いている場合は、住宅ローンの申込みを増やす前に、契約先へ連絡し、現在の支払いを正常化することが先です。既存借入れを無理に一括返済して生活資金を失うことがないよう、家計全体で判断します。
短期間に申込みを重ねる前に相談する
CICとJICCでは、申込情報を照会日から6か月以内登録すると案内しています。全国銀行個人信用情報センターでも、会員へ提供する照会記録には期間があります。
申込履歴が複数あるだけで必ず否決されるとは公表されていません。しかし、状況を整理しないまま別の金融機関へ次々に申し込んでも、問題の確認にはつながりにくいと私は考えています。
再申込みの前に、前回から何を見直したのか、希望額と返済期間が家計に合っているか、商品条件に合うかを整理しましょう。
沖縄で住宅ローンに不安がある方へ
信用情報に不安があるときは、「ブラックだから無理」と自分だけで結論を出す必要はありません。一方で、住宅ローンが必ず通ると案内することもできません。
ソルトリゾート株式会社では、沖縄で住宅購入を検討する方の借入状況、購入予算、物件条件を一緒に整理しています。信用情報の訂正・削除や審査通過を保証することはできませんが、次に確認する項目と相談先を分かりやすくお伝えし、必要に応じて提携FPへの相談もご案内します。
確認した一次情報
※本記事は一般的な情報です。登録内容・期間や住宅ローンの審査基準は契約、信用情報機関、金融機関、申込時期によって異なります。個別の登録内容は信用情報機関と登録元会社、審査条件は申込先の金融機関へご確認ください。