雨漏りやシロアリ被害がある家も、状態と契約条件を明確にすれば売却を検討できます。売却前に必ず全面修繕する必要があるとは限りませんが、知っている不具合を曖昧にしたまま契約するのは避けるべきです。
最初に、いつ、どこで、どのような症状があったかを写真と修繕記録で整理します。必要に応じて建築士による建物状況調査やシロアリ専門調査を行い、修繕して売る、現況で売る、解体を含めて土地として売る、保有して対応する選択肢を比較します。
「古い家だから免責」では決まりません
民法では、引き渡した物が種類または品質について契約内容に適合しない場合、買主は追完、代金減額、損害賠償、解除を求められる場合があります。種類・品質の不適合については、原則として買主が不適合を知ってから1年以内の通知が必要ですが、売主が引渡し時に知っていた場合などは例外があります。
実際の責任範囲は、建物の状態だけでなく、契約書、告知内容、買主が確認した事項、免責・期間・範囲の合意で変わります。「現況有姿」や「契約不適合責任を負わない」と書けば、知っている事実を説明しなくてよいという意味ではありません。契約前に事実と不明点を分けて伝えます。
調査・告知・売却条件を6段階で決めます
1. 症状と過去の対応を記録する
天井や壁の染み、台風時だけの漏水、床の沈み、木くず、羽アリ、蟻道、腐食、においなどを写真に残します。発生時期、天候、場所、再発の有無も記録します。
過去の点検報告書、修繕見積、領収書、保証書、保険請求、施工写真があればまとめます。「以前直したから問題ない」と決めず、修繕範囲と現在の症状を分けます。
2. 建物と土地の前提を確認する
築年、構造、増改築、未登記部分、接道、境界、用途地域、建替えの可否を確認します。同じ雨漏りでも、建物を使い続ける買主向けに売るのか、改修前提にするのか、土地利用を重視するのかで調査範囲が変わります。
老朽建物を残して売るか解体するかは、古家付き土地の現況売却と解体の比較も参考にできます。
3. 調査の目的と範囲を決める
国土交通省の建物状況調査は、既存住宅状況調査技術者が構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の劣化事象等を調べる制度です。調査をしても、住宅のすべての欠陥がないことを保証するものではありません。
一般的な建物状況調査とシロアリ調査は範囲が同じではありません。国土交通省も、シロアリ対策については専門の調査会社等への相談を案内しています。雨漏りの原因特定、床下・小屋裏の確認、シロアリ被害範囲など、売却判断に必要な追加調査を専門家と決めます。
4. 修繕・現況売却・解体を比べる
修繕して売る場合は、工事費、原因を解消できる見込み、保証、販売価格への影響、売却までの期間を確認します。表面だけ補修して原因が残ると、かえって説明が難しくなります。
現況売却は、買主が修繕費を見込めるよう、調査結果と見積を示し、価格と契約条件へ反映します。解体は、解体費、アスベスト調査、接道・再建築、固定資産税、土地需要を確認してから決めます。査定価格ではなく、費用差引後の手取りと期間を並べます。
5. 告知書と資料をそろえる
告知書には、雨漏り・シロアリの有無だけでなく、場所、発見時期、修繕時期、再発、調査結果を分かる範囲で記載します。分からない事項を推測で「なし」にせず、「不明」「未調査」と区別します。
国土交通省のQ&Aでは、建物状況調査の結果と告知書の記載が異なる場合、契約時にどの情報をどう扱うか当事者で確認・合意し、書面に記載することが望ましいとされています。口頭説明だけにせず、買主へ渡した資料と説明日を残します。
6. 契約内容と引渡し後の対応を確認する
契約書で、対象となる不具合、修繕の有無、引渡し状態、契約不適合責任の範囲・期間、設備の扱い、保険、買主の確認事項を具体的にします。一般的なひな形をそのまま使わず、実際の状態と合っているか宅地建物取引士や弁護士へ確認します。
引渡しまでに症状が変わった場合は、追加で写真を撮り、買主へ伝えます。台風後の漏水や新たなシロアリ痕跡を確認したら、契約時の説明と整合するか再確認します。
修繕して売る・現況で売る・解体する・待つ
原因と費用が明確で、工事によって買主の不安と価格調整を減らせるなら、修繕後の売却を検討できます。修繕費を先に負担しにくい、建物価値が低い、買主が改修を希望する場合は、調査結果を示した現況売却が合うことがあります。
建替え需要が中心で建物維持の費用対効果が低い場合は、解体も比較します。相続人の合意、調査、見積が整っていない段階では、危険や被害拡大を防ぐ措置だけ行い、売却方法の決定を待つ選択もあります。
私は、不具合を隠して早く売るのではなく、分かっていることと未確認のことを分け、買主が修繕費を含めて判断できる状態を作ることを大切にしています。売主にも買主にも、調査結果だけでなく調査できなかった範囲まで伝えます。
ソルトリゾートが整理できること
ソルトリゾートは、沖縄の雨漏り・シロアリ被害がある家について、現況記録、査定、調査先、修繕・現況売却・解体の費用比較、告知資料、契約時の確認事項を整理します。原因判定と工事は建築士・専門事業者、契約責任は弁護士等へ分けて確認します。
沖縄・大阪の相続不動産売却相談では、修繕を先に決めず、写真、過去の修繕資料、建物図面、固定資産税通知を基に選択肢を並べられます。売ることを急がず、調査してから判断することも可能です。
確認した一次情報
※本記事は2026年9月時点の一般的な情報です。契約不適合責任、告知義務、調査範囲、免責条項、修繕、解体、保険は、物件状態と契約内容で結論が変わります。宅地建物取引士、建築士、弁護士、専門調査会社等へご確認ください。
