住宅ローンを返済している途中で、離職、病気、収入減少などにより家計が苦しくなることがあります。「ローンが残っていると生活保護は相談できないのか」「持ち家をすぐ売らなければならないのか」と不安になる方もいるでしょう。

結論からいうと、持ち家があるだけで生活保護を申請できないとは限りません。一方、住宅ローンが残る家については、保護費がローン返済に回ることを避ける観点から、厚生労働省の実施要領で厳しい取扱いが示されています。

この判断は、住宅の価値、ローン残高、世帯状況などを踏まえて福祉事務所が行います。インターネットの一般論だけで申請を諦めたり、急いで売却を決めたりせず、返済中の金融機関と福祉事務所へ早めに相談することが大切です。

「持ち家がある」と「住宅ローンが残っている」は分けて考える

厚生労働省は、持ち家がある人でも生活保護を申請でき、居住用の持ち家は保有が認められる場合があると案内しています。

ただし、ローン完済前の住宅については別の確認が必要です。厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」では、ローンが残る住宅を保有したまま保護を適用すると、生活に充てるべき保護費からローンを返済する結果になるため、原則として保護を適用すべきではないという考え方が示されています。

ここでいう「原則」は、相談や申請そのものを拒む意味ではありません。厚生労働省は、必要書類が揃っていなくても申請できること、相談先は居住地を所管する福祉事務所であることも案内しています。個別の取扱いは福祉事務所へ確認してください。

まず返済中の金融機関へ相談する

返済が遅れてからではなく、「次回以降の返済が難しくなりそう」と分かった時点で、返済中の金融機関へ連絡します。

住宅金融支援機構は、離職や病気などで返済が難しくなった人向けに、返済期間の延長、一定期間の返済額減額、ボーナス返済の見直しなどの返済方法変更メニューを案内しています。実際に変更できるかは審査で決まり、返済方法によっては総返済額が増える場合があります。

民間金融機関の住宅ローンでも対応は商品や契約によって異なります。次の内容を伝え、利用できる手続と必要書類を確認しましょう。

  • 収入が減った理由と時期
  • 現在の毎月返済額とローン残高
  • 延滞の有無
  • 今後見込める収入
  • 毎月いくらなら返済を続けられそうか
  • ボーナス返済の有無

福祉事務所へ持っていきたい情報

生活保護の要否や持ち家の取扱いは、不動産会社や金融機関では決められません。居住地を所管する福祉事務所へ相談します。

相談時には、用意できる範囲で次の情報を整理しておくと状況を説明しやすくなります。

  • 世帯全員の収入と預貯金
  • 住宅ローンの契約書、返済予定表、残高が分かる資料
  • 固定資産税の通知書など、土地・建物が分かる資料
  • 住宅以外の借入れと毎月返済額
  • 病気、離職、介護など収入減少の事情
  • 金融機関へ相談した内容

すべての資料を揃えるまで相談を待つ必要はありません。生活費、住まい、医療に困っている場合は、まず福祉事務所へ相談してください。

売却するかは残債と住み替え先まで確認する

住宅を売却する選択肢を考える場合は、査定価格だけでなく、ローン残高と売却費用を確認します。売却価格でローンを完済できない場合、金融機関との調整が必要です。

また、売却後の住まい、引越費用、家賃、通院や通学への影響も一緒に考える必要があります。査定を取っただけで売却義務が生じるわけではありません。福祉事務所と金融機関の説明を聞き、世帯にとって現実的な方法を比較しましょう。

返済条件を変更しても家計の立て直しが難しい場合は、弁護士や司法書士などの専門家へ債務整理を相談する方法もあります。住宅金融支援機構も、ほかの返済を含めて継続が難しい場合は、法律の専門家への相談を案内しています。

沖縄で住宅ローン返済に困っている方へ

返済が苦しいときは、一人で売却か延滞かの二択にしないことが大切です。返済方法の変更、売却、住み替えなど、確認できる選択肢があります。

私は、沖縄の物件について査定や売却の選択肢を整理するお手伝いができます。ただし、生活保護の決定、債務整理、住宅ローンの条件変更は、それぞれ福祉事務所、法律の専門家、返済中の金融機関へご相談ください。

確認した一次情報

※本記事は一般的な情報です。生活保護の要否と資産の取扱いは世帯状況や自治体の個別判断で異なります。住宅ローンの返済条件変更にも審査があります。緊急性がある場合は、福祉事務所と返済中の金融機関へ早めにご相談ください。