相続した家や土地について税金の督促が届いた、登記に差押えの記載を見つけたという方へ。税金の滞納と、不動産の差押えは同じ状態ではありません。まず通知の差出人と現在の手続きの段階を確認し、売却を考えていることを徴収担当へ伝えてください。

「売却代金で払う予定だから、差押えは外せる」と先に買主へ約束することは避けます。納付すべき金額、解除の条件、登記の抹消、決済までの時間を確認して、売買契約を進められるか判断します。

1.通知と登記を並べて、何の税金か確認する

督促状、催告書、差押えに関する通知、公売の案内があれば、封筒も含めて保管します。通知に書かれた税目、名義人、対象年度、金額、期限、担当部署を確認してください。

土地と建物の最新の登記事項証明書も取得し、差押え、参加差押え、抵当権などの記載を照合します。土地だけを見て建物の権利関係を見落とさないようにします。登記の記載だけでは、現在の納付額や公売の進行状況までは判断できません。

手元の情報 次に確認すること
督促・催告の通知 未納額、期限、現在の処分状況、相談窓口
差押えの通知・登記 どの税金に係る処分か、解除に必要な条件と手続き
公売に関する通知 日程と現在の段階、売却検討中の連絡先、急いで確認すべき事項
複数の差押え・抵当権 各担当と権利者、全体の決済条件を整理する専門家

公売の日程や返答期限がある場合は、査定結果が出るまで連絡を待たないでください。売却を検討していると伝えるだけで、処分や期限が自動的に止まるとは考えないことが大切です。

2.税金の種類に応じた徴収担当へ相談する

国税なら税務署など通知に記載された担当、固定資産税など地方税なら自治体の担当へ確認します。相続人として照会するための本人確認・相続関係の書類も、先に尋ねてください。

確認する内容は次のとおりです。

  • 納税義務者と対象の税金、最新の未納額・延滞税や延滞金等
  • 納付を予定する日に必要な金額と、その再確認方法
  • 差押えや公売の進行状況、連絡・提出の期限
  • 不動産を売って納付する案を相談する際に必要な資料
  • 解除の判断、通知、登記の抹消までの流れと担当

亡くなった方の税金について誰がどこまで負担するか、相続放棄を検討すべきかが分からない場合は、売却を先に進めず税理士・弁護士等へ確認します。税務上の負担額を、不動産の名義人だけから決めつけないでください。

3.差押えの解除と、登記の抹消を分ける

国税徴収法79条には、納付などによって差押えに係る国税が全額消滅した場合などの解除要件が定められています。解除しなければならない場合と、解除できる場合は区別されています。売却予定や一部納付だけで解除を保証できるものではありません。

また、国税庁は、不動産の差押えを解除したときは税務署長が登記の抹消を関係機関へ嘱託する、と説明しています。納付、解除の判断、登記の抹消は確認する段階が異なります。 地方税の処分は、その自治体の徴収担当に具体的な流れを確かめてください。

複数の差押えや参加差押えがある場合、一つの担当との確認だけで全て解決したと判断しないことも必要です。抵当権もある場合は、ローン残債・抵当権がある相続不動産の確認と区別し、司法書士や必要な専門家を交えて決済条件を整理します。

4.査定額を、そのまま納付可能額にしない

売却見込額から、仲介・登記などの費用、抵当権の抹消に必要な返済、税金に関する支払いを整理します。ただし、どの債権へどの順に配分するかは、不動産会社が自由に決められるものではありません。関係する徴収担当・金融機関・専門家との確認が必要です。

査定は成約価格の確約ではありません。販売期間が延びる場合や、価格を調整する場合の資金不足も見ます。足りない場合は、不足を隠して売買契約を結ばず、納付方法や売却の進め方を担当窓口へ相談してください。

売却代金による納付を含む決済を検討する場合は、金額、送金先、解除・抹消の条件、用意する書類、買主への説明を契約前にすり合わせます。相続不動産の決済・引渡しに必要な書類は通常の準備の参考ですが、差押えがある取引では個別の調整が加わります。

売却を急ぐ前に、期限と条件をそろえる

私は、売れそうな価格だけをお伝えして話を進めるのではなく、納付と引渡しまでつながる条件かを確認することが大切だと考えています。条件が整えば売却を検討し、未確認なら契約を待って調査する。保有を続ける場合も、納付や管理の負担を整理します。契約を待つことと、税務の期限を放置することは別です。

沖縄・大阪の相続不動産売却相談では、物件の価格の見通し、売却費用、必要な確認先を整理します。解除の可否は徴収担当、納税義務や税額は税理士等、法的な争いや相続放棄は弁護士等の範囲です。「税金の通知があり、差押えかどうかも確認中です」という段階でも、売却側の調査から相談できます。

確認した一次情報

※2026年9月確認。国税の一般的な制度と売却前の確認順を示したものです。地方税、他の債権、相続関係や処分の段階により必要な対応は異なります。